学級人数と学習効果について(2014年11月25日)


非常に明快で、面白い記事でした。
以前、財務省の学級当たりの生徒数増大案について反対であると書きましたが(*)、教育を考える上でわすれてはならいのは高度な教育を受けた子供達が社会に還元する利益であり、また、最新の教育学や経済学の研究でそれは算出可能であるということです。

http://synodos.jp/education/11634

ゆえに、財務省の「35人学級にしてもいじめの件数は減っていない」というのは教育が最終的に経済全体に及ぼす利益を全く考慮していない短慮であり、一方の文科省(と私)も「きめの細かい指導」「未来への投資」といったお題目に頼ってばかりで数値的に説得力のある論拠を出来るにも関わらず提出できていないということになります。

結論は、少人数学級には国債の利回り(1.5%)と比較しても十分なベネフィットがあり、特に就学前教育や低学年に対して重点的にやるべきであるということです。

大人数学級の利点
・教員数が少なくて済む

少人数学級の利点
・総じて、低年齢、低学力の子供達のベースアップに絶大な効果がある
・授業妨害を起こす生徒が及ぼす悪影響(=他の生徒の学習時間の減少)が少なくて済む
→1人の子供が5%の確率で授業妨害を行なうとすると、50人学級よりも25人学級の方が全生徒の学習時間が260%向上する
→寺島による試算では、1人の子供が5%の確率で授業妨害を行なう40人学級7クラスと35人学級8クラスを比較した場合、後者の方が29%学習時間が増えます((35* (0.95 ** 35) * 45 * 8) / (40 * (0.95 ** 40) * 45 * 7))
→同様の想定で25人学級と40人学級を比較すると、その上昇率は115%に登ります
・非認知能力(やる気、好奇心、粘り強さ、自制心など)の向上に効果がある
→これに関してはより高齢である米国の8年生(日本の中学二年生)に対しても所得向上効果を比較した場合4.6%前後の内部収益率があるとされているそうです。(国債の利率は1.5%)
・優秀な教員が実力を発揮しやすくなる
→教員全体の上位15%程度に入る優秀な教員が20人学級で教えた場合、子供の生涯収入が約42万ドル(日本円にして約4500万円)も上昇

日本の教育について
・初等教育と中等教育への公的支出はOECD諸国と比べ遜色はない
・高等教育への公的支出は低いが、私教育支出(=予備校等)も含めればOECD諸国よりも多い
・就学前教育(=幼稚園)への支出は、公的支出も私教育支出も少ない
→少人数学級&投資は就学前教育へ重点的にやるべき

*:https://www.facebook.com/yoshito.terashima/posts/10202108866278222?pnref=story

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